セシルのゼロから始める米国株投資

化粧品メーカー勤務の31歳社畜サラリーマンが、化粧品のこと、資産形成(米国株式投資🇺🇸)など、日常に少しの付加価値を与える情報を発信するコンテンツです。

今さら聞けない「リーマンショック」の原因


こんにちは、セシルです。



今回は世界中で経済危機を引き起こした「リーマンショック」について10年経過した今改めて振り返ってみようと思います。

そもそもリーマンショックをよく理解していないという方に見ていただければと思います。
※長文のため、時間のある時をオススメします。

リーマンショックとは

2008年9月、米国投資銀行最大手のリーマン・ブラザーズが経営破綻したことで起きた世界的な経済危機のことです。
米国市場のみならず世界中の市場が混乱に陥り、株価が暴落しました。

ちなみに、リーマン・ブラザーズはドイツからの移民であるリーマン兄弟によって創業され、数々の大手企業と買収や合併を繰り返して規模を大きくした会社でした。

実はリーマン・ブラザーズが破綻するよりも前から、別のところでその兆候が表れていたんです・・・
リーマンショックで財産を全て失った人が大勢いる一方で、その兆候に早期に気付き大金を稼いでいたファンドマネージャーもいます。

発端は「サブプライムローン

リーマンショックは米国のサブプライムローン問題が元凶です。

サブプライムローンとは、建てた家が売れ残らないように低所得者でも家が買えるようにしたもので、2001年頃から米国の低所得者サブプライム層)向けに始まった住宅ローンのことです。

サブプライムローンはもともと返済能力が低い人が利用していたため、のちに債券が回収できなくなり資金繰りが悪化していました。

それでも好景気に沸いていた当時の米国では2000年頃から住宅ブームが起こっていたので、その過熱感が冷めることはありませんでした・・・

経営危機の兆候はいつからあったのか

経済危機の兆候が表れたのは、リーマンブラザーズの破綻から1年も前・・・

2007年4月、サブプライムローンを提供する米国トップクラスの大手銀行「ニューセンチュリー・ファイナンシャル」が破綻していました。

実際、2007年2月の米国市場ではサブプライム融資関連株が急落していました。
さらに影響は拡大し、NYダウは前日比-$100超急落し関連銘柄も大きな影響を受けました。

しかしそれでもまだ、誰も事の重大さに気付いてはいません。


2007年7月には、米国の投資会社「ベアー・スターンズ」が実質的に破綻しました。

ベアー・スターンズは、危機に瀕する直前まで黒字見通しを発表していたにもかかわらず、わずか数日で資金繰りが悪化。
170億円あったはずの資金はあっという間に底をつきました。

原因は徐々に表面化してきたサブプライム損失を危うく思った顧客や貸し手がベアー・スターンズから資金を撤収し、さらに金融機関が一斉に返済を迫る「取り付け騒ぎ」が起きたためです。

しかしベアー・スターンズは危機に瀕した直後、米国銀行最大手のJPモルガン・チェースにタダ同然の値段で買収され、なんとか一命をとりとめました。


さらに同年8月、BNPパリバ(フランスに本拠のある金融グループ)がサブプライム問題を深刻に受け止め、パリバ傘下のミューチュアル・ファンドが投資家からの解約凍結を発表したことで、大混乱になりました。

かねてから懸念材料のあったサブプライム関連商品が含まれた投資信託を、解約したくても解約できない事態に陥ったのです。

投資家からしてみたらこれは大変なことです。

これがその後の世界的な金融危機が起こる発端になった出来事と言われており、ここから終焉のカウントダウンが始まります・・・

怪しいデリバティブの横行

一方、ローン会社は債券を銀行に売り、銀行は債券を証券化して投資家が買えるようにしました。MBSモーゲージ債)と呼ばれた金融商品です。

さらにMBSやほかのローン商品とごちゃまぜにしたCDO債務担保証券という怪しげな金融商品も売られました。
ローリスク・ハイリターンのデリバティブ金融派生商品)として当時大人気になったのです。

金融業界の闇

米国では債券の発行元を分析し、信用度の格付けを行う格付け会社があるのはご存知でしょうか?

当時ムーディーズやS&P、フィッチなどの格付け会社は、サブプライムローンの中身が空っぽだったにもかかわらず、この債券に「AAA」という最高ランクを付けていました。

投資家は債券を信用し、なんの疑いもなく次々に債券を購入したんですね。

なぜならムーディーズなどの格付け会社の信用度は高く、アナリストや投資家の判断材料となっていたからです。

なぜ米国の代表的な格付け会社が、中身のない金融商品に「AAA」という最高ランクを付けたのか?

それは会社の根底にある「売れればどんな手を使ってもいい」という無責任な考え方と、米国を牛耳る大手企業の抜き差しならない利害関係があったからです。

大手銀行のGSやリーマン・ブラザーズ、メリル・リンチ、ベアー・スターンズというサブプライム・ローンの立役者と、JPモルガンなどの金融複合企業、さらにムーディーズなどの格付け会社サブプライム関連商品を売って大儲けするため、水面下で結託していました。
本当に闇が深いですね・・・

不動産地価下落でバブル崩壊

ローン利用者はもともと返済能力の低い人だったので返済が滞り始めます。

加えて住宅供給も飽和状態に達し、買い手がつかない家があふれました。
頼みの綱の地価や不動産価格も暴落し、たくさんのローン利用者が家を手離さざるを得ない状況になります。
ローンがデフォルトになると債券はたちまち不良債権となり、各地でサブプライム問題が一気に表面化するとともに、世界経済の不安材料となってしまったのです。

ローン引き受け筆頭のリーマン・ブラザーズは米国第4位の大手証券会社でしたが、負債総額は6130億ドル(約60兆円)という莫大なものでした。

米国政府および大手金融機関は救済せず

この騒動でのリーマン・ブラザーズの負債額があまりにも巨額すぎたために、米国政府も金融機関も買収などを見送らざるおえなかったようです。

まとめ

【1】うまい話に惑わされ多くの人がローンを組んだ
【2】サブプライムローンがさまざまな金融商品に姿を変えて世界中で売られた
【3】内容もよくわからない債券を多くの人が買ったため値段が高騰した
【4】サブプライムローン債券の格付けを格付け会社が不正操作した
【5】金融機関が過剰なレバレッジをかけすぎた
【6】アメリカ政府がリーマンブラザーズを救済しなかった


この一件を教訓として、「うまい話には必ず裏がある」と疑いましょう。
賢明なる投資家のみなさんは、自分でよく調べて納得できた会社や商品にのみ投資するということを肝に命じておきたいですね。

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村
励みになりますので、応援のクリックをお願いします!